興味のある本が棚の高い段にあるので手が届かない。近くにちっちゃい女の子の店員がいたので台を取ってもらおうと声をかけると、何を思ったか一生懸命背伸びして目的の本を取ろうとし始めた。
が、届かない。
そりゃそうだ、この娘さんよりふたまわりほど大きい私ですら届かないのだ。
止めようかとも思ったが、そのしぐさがやけに可愛らしかったのでしばらく眺めることにした。
・・・。
女の子はかなりがんばったが、結局あきらめたらしい。下を向いて一人でなにやらブツブツと言いはじめた。
ホッとしたような、少し残念なような、そんな気持ちで女の子を見ていると突然、彼女は意を決したような表情で私を見上げ、頬を真っ赤に染めて、こう言った・・・。